ページビューの合計

2020年5月1日金曜日

☆ヌーソロジー攻略研究会・目次

ヌーソロジーについて、現時点までに書いた記事の一覧です。アクセスしやすいようにまとめてみました。よろしかったから、ご覧下さい。

【ヌーソロジー・ド超入門】

1. ヌーソロジーとの出会い
http://nooskoryaku.blogspot.jp/2013/05/1.html
2. 今なぜヌーソロジーなのか?
http://nooskoryaku.blogspot.jp/2013/05/2.html
3. ヌーソロジー関連のサイト
http://nooskoryaku.blogspot.jp/2013/06/4.html
4. ヌーソロジーの持つイメージ
http://nooskoryaku.blogspot.jp/2013/06/5.html
5. ヌーソロジーとは?
http://nooskoryaku.blogspot.jp/2013/06/6.html
6. 「人間」から「変換人」へ
http://nooskoryaku.blogspot.jp/2013/06/8.html
7. なぜヌーソロジーを難しいと感じるのか?
http://nooskoryaku.blogspot.jp/2013/06/9.html
8. そもそも、ヌースとは何なのか?
http://nooskoryaku.blogspot.jp/2013/06/10.html
9. ヌースとは何か?
http://nooskoryaku.blogspot.jp/2013/06/11.html
10. ヌースとは超ひものこと?
http://nooskoryaku.blogspot.jp/2013/06/12.html
11. ヌーソロジーを理解する手掛かり
http://nooskoryaku.blogspot.jp/2013/06/11_18.html
12. ルビンの壺とヌーソロジー
http://nooskoryaku.blogspot.jp/2013/06/12_27.html
13. 観察子の背景にある世界観
http://nooskoryaku.blogspot.jp/2013/07/13.html
14. 宇宙のすべて=タカヒマラという構造
http://nooskoryaku.blogspot.jp/2013/07/14.html
15. ノウスとノス
http://nooskoryaku.blogspot.jp/2013/07/15.html
16. 観察子の種類と構造の概略
http://nooskoryaku.blogspot.jp/2013/07/16.html
17. 既存の著作からの観察子の構造の大幅な変更(1)
http://nooskoryaku.blogspot.jp/2013/07/17-1.html
18. 既存の著作からの観察子の構造の大幅な変更(2)
http://nooskoryaku.blogspot.jp/2013/07/18-2.html
19. ヌーソロジーの理解の仕方のヒント
http://nooskoryaku.blogspot.jp/2014/07/19.html

【続・ヌーソロジー・ド超入門】

20. 「2013」と次元交替化のサイクル
http://nooskoryaku.blogspot.jp/2014/07/20-2013.html
21. シリウスのハーベスト・プログラム
http://nooskoryaku.blogspot.jp/2014/07/21.html
22. この「私」とは何者であるか?
http://nooskoryaku.blogspot.jp/2014/07/22.html
23. 人間の無意識の潮流と神秘学
http://nooskoryaku.blogspot.jp/2014/07/23.html
24. シリウス言語とは?
http://nooskoryaku.blogspot.jp/2016/01/24_27.html
25. ヌーソロジーの基本用語
http://nooskoryaku.blogspot.jp/2016/01/25.html
26. 対化の概念とそのイメージの描像
http://nooskoryaku.blogspot.jp/2016/01/26.html
27. 等化の概念とそのイメージの描像
http://nooskoryaku.blogspot.jp/2016/01/27.html
28. 次元観察子の概略
https://nooskoryaku.blogspot.jp/2018/03/28.html
29. ミクロとマクロの対称性――次元観察子ψ1~ψ2
https://nooskoryaku.blogspot.jp/2018/03/29-12.html
30. 触覚の延長と人間型ゲシュタルト
https://nooskoryaku.blogspot.jp/2018/03/30.html
31. ヌーソロジー関連の書籍(2019年最新版)
https://nooskoryaku.blogspot.com/2019/05/31-2019.html
32. 最初の空間反転の入口
https://nooskoryaku.blogspot.com/2019/10/32.html
33. 人間の外面と内面――次元観察子ψ3~ψ4 (1)
https://nooskoryaku.blogspot.com/2019/10/33-34-1.html
34. 人間の外面と内面――次元観察子ψ3~ψ4 (2)
https://nooskoryaku.blogspot.com/2019/10/34-34-2.html
35. 自己と他者の対称性――次元観察子ψ5~ψ6 (1)
http://nooskoryaku.blogspot.com/2019/10/35-56-1.html
36. 自己と他者の対称性――次元観察子ψ5~ψ6 (2)
http://nooskoryaku.blogspot.com/2019/10/36-56-2.html
37. 素粒子空間への参入 (1)
http://nooskoryaku.blogspot.com/2019/10/37-1.html
38. 素粒子空間への参入 (2)
http://nooskoryaku.blogspot.com/2019/10/38-2.html
39. 素粒子空間への参入 (3)
http://nooskoryaku.blogspot.com/2019/10/38-3.html
40. 元止揚空間の完成――次元観察子ψ7~ψ8
http://nooskoryaku.blogspot.com/2019/10/40-78.html

【ヌーソロジーのための物理学超入門】

41. モノ的世界観からコト的世界観へ
http://nooskoryaku.blogspot.com/2019/10/41.html
42. 世界観の変遷とヌーソロジー (1)
http://nooskoryaku.blogspot.com/2019/10/42-1.html
43. 世界観の変遷とヌーソロジー (2)
http://nooskoryaku.blogspot.com/2019/10/43-2.html
44. 世界観の変遷とヌーソロジー (3)
http://nooskoryaku.blogspot.com/2019/10/44-3.html
45. 世界観の変遷とヌーソロジー (4)
http://nooskoryaku.blogspot.com/2019/12/45-4.html
46. 古典力学的世界観の形成 (1)
http://nooskoryaku.blogspot.com/2019/12/46-1.html
47. 古典力学的世界観の形成 (2)
http://nooskoryaku.blogspot.com/2019/12/47-2.html
48. 古典力学的世界観の完成 (1)
http://nooskoryaku.blogspot.com/2019/12/48-1.html
49. 古典力学的世界観の完成 (2)
http://nooskoryaku.blogspot.com/2019/12/49-2.html
50. 古典力学的世界観の完成 (3)
http://nooskoryaku.blogspot.com/2019/12/50-3.html
51. 現代力学的自然観の夜明け前 (1)
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/01/51-1.html
52. 現代力学的自然観の夜明け前 (2)
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/01/52-2.html
53. 現代力学的自然観の形成
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/01/53.html
54. 現代力学的自然観の発展
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/01/54.html
55. 物理学の地平とヌーソロジー
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/01/55.html
56. 自由電子の波動関数
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/01/56.html
57. 波動とは何か?――自由な平面波について
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/01/57.html
58. 自由電子のシュレディンガー方程式
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/01/58.html
59. 波動関数の空間的側面と時間的側面
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/01/59.html
60. バネの単振動と回転運動
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/01/60.html
61. 無数のバネの連成振動
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/01/61.html
62. 空間と時間の対化の本質
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/01/62.html
63. 交換関係と反交換関係による量子化
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/01/63.html
64. ヌーソロジーにおける電磁場に関する解釈
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/01/64.html
65. マクスウェル方程式
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/01/65.html
66. 電磁気学のゲージ変換
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/01/66.html
67. 電磁場テンソル
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/01/67.html
68. モノポールが存在する場合
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/01/68.html
69. 電磁場中の荷電粒子の運動方程式
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/01/69.html
70. 相対性原理
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/01/70.html
71. 相対論的な視点
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/01/71.html
72. ガリレイの相対性原理とマクスウェル方程式
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/01/72.html
73. ローレンツ変換の導出
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/01/73.html
74. 光速の壁と反転
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/01/74.html
75. 反転の意味について
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/01/75.html
76. 素粒子の運動方程式
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/04/76.html
77. シュレディンガー方程式とディラック方程式の関係
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/04/77.html
78. 左巻き粒子と右巻き粒子
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/04/78.html
79. ヌーソロジーにおける U (1) 解釈
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/04/79-u-1.html
80. 素粒子と対称性
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/04/80.html
81. U (1) ゲージ変換
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/04/81-u-1.html
82. U (1) ゲージ対称性
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/05/82-u-1.html
83. SU (N) ゲージ対称性
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/05/83-su-n.html
84. ヌーソロジー理解のためのパラシュート降下法
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/05/84.html
85. 物語としての「わたし」の由来 (1)
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/05/85-1.html
86. 物語としての「わたし」の由来 (2)
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/05/86-2.html
87. 宇宙的生殖としての宇宙開闢の構造 (1)
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/05/87-1.html
88. 宇宙的生殖としての宇宙開闢の構造 (2)
http://nooskoryaku.blogspot.com/2020/05/88-2.html

88. 宇宙的生殖としての宇宙開闢の構造 (2)

以上をもう少し高い次元から見てみると、こんなイメージになります。この図を見れば、インフレーションを含むビッグバンによる宇宙開闢は、ヌーソロジー的には、前方空間と後方空間の交接によって等化と中和が生じている現象だとは言えないでしょうか。

88.1 ヌーソロジー的宇宙開闢の構造(1)

88.2 ヌーソロジー的宇宙開闢の構造(2)



87. 宇宙的生殖としての宇宙開闢の構造 (1)

ここで、中性子のβ崩壊というものを考えてみましょう。

87.1 中性子のβ崩壊と時空の形成(1)

中性子がβ崩壊すると陽子になりますが、その際、電子と反ニュートリノというものが放出されます。ヌーソロジーでは、陽子はψ7、中性子はψ8であり、電子はψ5、ニュートリノがψ6ですから、反ニュートリノはψ*6ということになるでしょうか。また、電子からは都度γ線が出入りしていると考えるのは妥当であり、いわゆる光子が吸入されたり、放出されたりしているという意味では、ψ3~ψ4も関わっていると考えていいでしょう。そして、当然これらは時空上で取り扱われますから、ψ1~ψ2も関わっています(陽子がβ崩壊すると中性子になりますが、この現象はほとんど起こりません)。
ということは、結局、ヌーソロジー的には、中性子のβ崩壊といった原子核内部の現象は、次元観察子ψ1~ψ2からψ7~ψ8までの人間の元止揚空間ととても関係が深いということになります。凝縮化を考慮に入れれば、ここで時空生成が行われているとも言えます。
87.2 中性子のβ崩壊と時空の形成(2)



86. 物語としての「わたし」の由来 (2)

そもそも、この「わたし」の由来はどこにあるのでしょうか。「わたしでない」破れ目から落っこちてきたそれは、その破れ目のさらに先の全体空間の破れ目から落ちてきたとするとどうでしょうか。

cave compassの全観察子版であるPSO回路における意識の昇降関係の図を見ながら、少し考えてみましょう。

86.1 PSO回路における意識の昇降(旧ヌースアカデメイア・サイトより)

ヌーソロジー的な射影としては、こんな図を描いてみてもいいと思います。
86.2 「わたしである」地上への落下の構造

この「わたし」の成り立ちというものを、どこの国のどの地域にどの民族として生まれたか、といった社会的自己の成立背景まで含めて考えるのなら、少なくとも、集団的自己としてのψ7~ψ8を出発点とするのがいいように思います。もちろん、正確なところはそれより上位のψ13~ψ14⇒ψ11~ψ12⇒ψ9~ψ10⇒ψ7~ψ8を順にたどって降下してきたと考えるのが妥当ではないでしょうか。


○「わたし」の始まり
ψ7~ψ8(人間であることのスタート)
……4次元性が生まれる発端(4次元回転SO (4)が運動のベースとなる)
⇒ψ5~ψ6(他者由来の影が来るところ)
……自己の外面と内面が生み出る起因(3次元球面を通した射影)
 ⇒ψ3~ψ4(自己を目覚めさせるところ)
……「わたし」が到来する現場(複素数平面における電磁場という現象)
⇒ψ1~ψ2(時空を認識することから始める)
……物事の認識の開始(投げ込まれている時空に気づく)


86.3 「わたし」と社会の対峙


85. 物語としての「わたし」の由来 (1)

急降下した途端、私たちはいきなり記憶を失います。いきなりドスンと転がり落ちたことによるショックのせいでしょうか。アタマの中が真っ白になっています。目の前の状況がよくわかりません。「わたしは誰? ここはどこ?」を通り越して、「わたしはどこ? ここは誰?」状態です。

とにかく、どこからか転がり落ちてきてここにいました。一体いつどこから転がり落ちてきたのかは全く覚えていません。目覚めたらここに留め置かれていたのです。一見ここの空間はふちがないように見えました。これはもっとずっと後で気づいたことですが、ここは「内からは無限に開いていたが、外からは有限に閉じている」ところでした。

85.1 モノという構造

それは私がふだん、地球上のどこかからか、宇宙に想いを馳せながら、夜空を見上げている状態に近いかもしれません。地球の表面上に立っていながら、宇宙の輪郭どころか地球全体の輪郭さえ見えず、宇宙の果てはまさしく無限の彼方に見えました。でも、この宇宙全体を把握する存在がいたなら、「宇宙全体を把握する」と言ったそれ自体が既に宇宙の外部に出ている証拠でした。宇宙の内部にいながら、宇宙全体をつかむように把握することには論理的矛盾があるからです。それは、かのクルト・ゲーデルの「不完全性定理」を、ある意味やや数学的背景を度外視して超意訳した以下の理屈から来ています。


○ゲーデルの「不完全性定理」の超意訳
「わたしの論理が正しいか否かを、わたしの論理体系の内部で判断することはできない。」
⇒「わたしの論理体系を破綻させる論理を持った他者が、わたしの外部に存在する。」

このことは、「わたし」の根拠というか「由来」みたいなものとも関係しています。この私たちが今や当たり前のように使っている「わたし」という意識の始まりは、「人間」という考え方、つまり、近代自我というものが登場してからだと言われます。その象徴としてよく採り上げられるのが、かのルネ・デカルトによる「我思う、ゆえに我あり」という言葉です。ところが、ラッセルによれば、この言葉が実は「自己言及のパラドックス」だと言うのです。これにはびっくりしました。詳しい過程は飛ばしますが、このデカルトの言葉を言い換えると、「『私はすべてを疑う』が、その私を疑うことはできない」ということになるのですが、これは「私は、私について言えない」という構文と同様になり、自己矛盾を起こして「非決定命題」となるということだそうです。

すべての学問・文化その他の人間の活動は、個別にはそれぞれ時期がずれたりしますが、いずれも、おおよそ、古典(クラシック)⇒近代(モダン)⇒ポスト近代(ポストモダン)というものをたどって、現在に至っています。面白いなと思ったのは、ちょうど、この「古典」の相当する位置のものが、「自己言及のパラドックス」に陥りやすい危険性を含んでいるかもしれないというところです。「古典」的なものは、「りんごは『なぜ』落ちるか?」という問いから来ている場合が多いような気がします。この問いに対して「重力です」という答えは誤りです。なぜなら、「重力はものが落ちることを説明するために用意された仕組み」だからです。したがって、言い換えれば、「『ものが落ちる』のは、『ものが落ちる』仕組みがあるからです」ということになって、何も言っていないことと同じになるわけです。

このゲーデルの「不完全性定理」およびラッセルの「自己言及のパラドックス」をひねくってみると、「わたし」の由来について、こんなことが言えるのではないでしょうか。


○「わたし」の由来
「わたしであるこの世界は、わたしでないところを根拠として成り立っている。」
⇒「わたしであるこの全体は、わたしでない点を光源として照らし出されている。」

85.2 真のわたしは投影されたものではない

言い換えれば、今わたしが「わたし」だと思い込んでいるものは実は「わたし」ではなく、他者から見られているわたしこそが現実のわたしを垣間見ているということになります。で、その現実のわたしというのもまた、エリック・バーンらの交流分析(TA)によれば、「幼児決断」と呼ばれる、親からの絆の切断体験(実際には「親から存在を否定された」と本人が勝手に解釈しただけですが)によって、膨らんだ無限の可能性から落下し、ペシャンコにされて、次元降下し、平面に叩きつけられて出来た「わたし」です。この「親からの存在否定」によって、その生身体験の空間構造が切り取られて、「わたし」の投影原型(行動の鋳型=テンプレート)が生成されたわけです。これ以降のわたしの人生ではこの行動の鋳型が使われるわけですが、この幾何学的空間構造を、ある意味、外界の情報を取り込んでわたしの内部世界に映し出す鏡、あるいは、投射機の光源として用いているわけです。この辺はまだまだ心理学的領域です。ヌーソロジーが探究する存在論的領域に踏み込むためには、ラカンの「鏡像段階説」における「大文字の他者」などの項目との対応付けなどについても、自分なりに考えてみる必要があると思います。

とにかく、「わたしである」という(ある意味「肯定」的な)わたしの内部世界の光源は、そんなのは「わたしでない」と信じたい点(ある意味「否定」したい点)であり、そのくぐりたくない点をブレイクスルーした者にだけ、その光源の先に、新しいわたしの可能性を見ることができるのです。それは今の自分と自己同一視している他者ではなく、「本当の他者」が光として洩れ射し込まれる点でもあります。「本当の他者」と出会えるラインはそこにしかありません。
この方向は、今のわたしが受動的に投影されている方向とは真逆です。わたしがこの「わたしである」ところを突き破って、能動的に外へ向かって出て行く方向です。心理学的に言えば、フロイトの心理学がトラウマや、場合によっては無意識的カルマさえ容認しかねない「原因論」的であるなら、これはアドラー心理学的な「目的論」的思考へとつながっていくのかもしれません。

84. ヌーソロジー理解のためのパラシュート降下法

ヌーソロジーを理解するにはいろいろなアプローチの仕方がありますが、大きく分けると2つの方法があるように思います。一つは、「地道に正当に提示されているモデルを使って観察子構造を理解する」方法です。半田広宣氏が提示しているcave universeや、cave compassPSO回路、あるいはNC(ヌース・コンストラクション)などのモデルを駆使して、私たちが日頃慣れ親しんでいる空間認識を解体し、より広い空間認識を獲得していこうとする、ある意味直接的なアプローチだと言えます。もう一つは、「既存の学問分野などとの比較による整合的観点から関連項目の対応付けを考える」という方法です。例えば、物理学で言えば、古典力学や量子力学および素粒子物理学の知見などに基づいて、それらの構造論とうまく整合性を合わせる方向性を試みながら進めていく、やや間接的かもしれませんが、後々既存の学問分野とのコンセンサスなどが採りやすくなるアプローチです。

このヌーソロジー攻略研究においては、私はできるだけ後者のアプローチを採りたいと思います。それは、私がヌーソロジーにより深く関わってきたこの十年ほどのヌーソロジーの発展の歴史を振り返って眺めてみると、モデルの大幅な改変や、「人間の外面と内面」などヌーソロジーの内容に関わる部分の解釈の変更など、ヌーソロジーがまだ「ヌース理論」と呼ばれてきた頃から、半田広宣氏の一連の著作やネット上のサイトに関わってきたベテラン・ヌーシスト、特に、細々としたしたところからきっちりブロックを積み上げてきたようなタイプの人たちにとっては、解体と再編の繰り返しのような作業に疲れてしまっている方々も少なくありません。したがって、骨格があまり崩れず、内容や構造の激変が比較的起こりにくい後者のアプローチを採りたいと考えているわけです。

さて、後者のアプローチはそれはそれで、では一体どこから入ったらいいのかという難点があります。そこで、私たちふつうの空間認識の人間がハッと驚く目覚めの現地にパラシュートで降り立つことから始めようと思います。「いきなり現地」というわけです。このような勉強法を、昔『超整理法』というベストセラーで有名になられた野口悠紀夫氏は、『超勉強法』という著書の中で、「パラシュート降下法」と呼んでおられます。ヌーソロジーの場合、この表現がピッタリではないでしょうか。何やらよくわからないアマゾンのような未開の大地に舞い降りるような気分で、一体どんな化け物が出てくるやら恐れつつも、一方で新たなる出会いに胸をときめかせてもいるのです。

まずは、わたしがイメージしている、少し物理学風な想像空間の中に降り立ってもらいます。さあ、一気に急降下してみましょう。

83. SU (N) ゲージ対称性