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2020年1月21日火曜日

71. 相対論的な視点

ボールがコロコロと転がっていきます。床を転がって元の位置から直線距離にして何メートルか移動しました。結果的に見ると、ボールの中心は何メートルか直線運動をしたわけです。
例えば、この運動をあなたが見ていたとします。あなたから見て、ボールの中心は右方向にaメートル移動しました。でもよく見ると、そのボールはバスに乗っていて、バスが動いていたんだとします。バスはあなたから見て、向かって左にaメートル動いていたんだということを、あなたは気づきました。そして、注意して見ると、そのとき、ボール自身は、最初にあったその空間位置に貼りついていて、バスと一緒には動いてはいませんでした。あなたの視線はずっと、ボールに釘付けになっていました。そして、あなたが認識していた背景の空間はバスの内部でした。
すると、どうでしょう。不思議なことに、本来はバスが動いていたはずなのに、あなたには、ボールが自ら動いて、バスの内部を右にaメートル移動したように見えたのでした。

71.1 直線運動(並進運動、平行移動)に関する相対性の仕組み

つまり、ボールが単純に右方向にaメートル移動したという「点の運動」と、まるで大掛かりな仕掛けのように、ボールの背景であるバスの内部空間が絶対空間に貼りついたボールを置き去りにして左方向にaメートル移動したという「座標系の運動」とは、区別がつかないということです。もちろん、ここで言う「座標系」とは、ボールの背景であるバスの内部空間のことです。

このように「点の運動」と「座標系の運動」は、見かけの点の運動としては、区別ができません。このような性質を「相対性」と呼びます(ここで、「点」を「ベクトル」と置き換えても同様です)

〈観測者と対象の相対性〉
  対象 の運動 …… 運動していて、座標系静止している。
座標系観測者)の運動 …… 静止していて、座標系運動している。

この運動の向きは、直線運動においては点の運動と座標系の運動では直線上を逆向きでしたが、同様に、円運動(回転運動)においても、円上を反時計回りか時計回りかの逆向きになっています。

71.2 円運動(回転運動)に関する相対性の仕組み

この「点の運動」と「座標系の運動」の差異が、いわば、ヌーソロジーにおける重要な概念である「人間型ゲシュタルト」と「変換人型ゲシュタルト」の違いに繋がってきます。「座標系」を「空間」、「点」を「モノ」と言い換えてみるといかがでしょうか。少しぐらいは、とっつきやすくなるでしょうか。

とりあえず、これらのより詳しい概念は後回しにして、ここでは私たちふつうの人間がつかみやすい概略的な概念として挙げておきます。

71.3 人間型ゲシュタルトから変換人型ゲシュタルトへ
(『2013:人類が神を見る日 アドバンストエディション』p.161より図7-3

人間型ゲシュタルト …… 観測者を忘れて、対象だけを考える思考体系。
              モノ対象的な思考。ψ1~ψ2までの世界観。

変換人型ゲシュタルト …… 観測者と対象をセット(双対)にして考える思考体系。
              コト関係的な思考。ψ3以上の世界観。

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