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2019年10月23日水曜日

41. モノ的世界観からコト的世界観へ

半田広宣氏のデビュー作である『2013:人類が神を見る日』の初版本の新刊の帯にはこんなトンデモな内容が書かれていました。

素粒子の正体は、われわれの意識だった!
意識進化はすべてを光に変える!

これほどトンデモな内容が他にあるでしょうか。ヌーソロジーがトンデモの中の超トンデモだと言われる所以でもあります。でも、これこそ、まさにヌーソロジー一番の醍醐味とも言えるものです。ふだんは物理学の中の一意識としてしかほとんど触れる機会のない、素粒子が実は私たちの意識と最も深い関係になるのだとしたら、どうでしょうか。、
このヌーソロジーならではの、独特にして壮大な世界観の中で語られるその内容を、物理学の知識を参照しながら、みなさんと一緒に見ていくことにしましょう。

その前に、私たちがふだん何気なく、それこそ考えるともなしにぼんやりと描いている世界観というのは、一体どんなものでしょうか。考えてみましょう。
半径137億光年という広大な宇宙の中に、天の川銀河と呼ばれる渦巻き状の局部銀河があって、その壮大な渦巻きの中のいて腕とペルセウス腕に挟まれたオリオン腕と呼ばれる領域の中に、太陽系という一つの恒星系があって、その内側から3番目を公転する、地球よ呼ばれる惑星の表面に、日本と呼ばれる国があって、そのとある所に住んで、特定の名前を持って、ある職場で仕事をしながら、家族ととともに、日々の暮らしを送っている私という人間がいて、人生という時間の中で、他の人間と関わるだけでなく、様々な種類の物質でできたものやら、生命を持った動物や植物とも様々な形で関わり合い、それらは思考したり感情を表す人間とは違うものだということもわかっている――まあ、ざっくりと表現すれば、こんな感じの世界観を、みなさんも、多少のバリエーションの違いを伴いながらも持っていると思います。

私たちが持っているこうした世界観は、生まれてから様々な他の人間や動植物や物質などと関わる経験などを通して身に付いたものですが、思考的な補完はその時代時代のその社会における常識だとか学校教育によって行われます。その結果、現在私たち日本人が持っている標準的な世界観というのは、短絡的な言い回しにすれば「モノ的世界観」だと言えます。

この「モノ的世界観」は、後で述べるように、これまで近代化を推進してきた世界観だったのですが、私たちが生きているこの21世紀初頭においては、古い世界観になりつつあります。というのも、20世紀前半に登場した「相対論」と「量子論」という現代科学の2本の柱とも呼ばれる考え方によって、新しい世界観が始まったからです。

「相対論」とは、アインシュタインの相対性理論のことですが、これは一つの理論ではなく、特殊相対性理論と一般相対性理論という2つの理論を指します。一方、「量子論」とは、プランクやボーアらの前期量子論に始まる電子や光子といった素粒子のふるまいを説明したものであり、粒の量子論(量子力学)と場の量子論からなります。この「相対論」と「量子論」の基礎にある物の見方や捉え方は、単に、物理学の領域にとどまらず、科学全体、あるいは、学問分野全体にまで影響を及ぼしたのではないかと思います。

つまり、端的な言い方をすれば、人類全体の意識において、いよいよ「モノ的世界観」から「コト的世界観」への移行というかなり大規模なパラダイム・シフトが起こってきたのではないかと評されるわけです。

にもかかわらず、私たちはまだこの前時代的な「モノ的世界観」を払拭できずにいるのでは、なぜでしょうか? それは、「モノ的世界観」が私たち近代以降の人間が当たり前のように持って表現している「自我」と大いに関係しているからだとされます。

このような「モノ的世界観」をヌーソロジーでは「人間型ゲシュタルト」と呼んでいます。簡単に言えば、「モノ的世界観」とは、対象を中心とする物の見方のことであり、一方、「コト的世界観」とは、観測者-対象を1セットとして捉える物の見方のことです。後者の「コト的世界観」をヌーソロジーでは「変換人(トランスフォーマー)型ゲシュタルト」と呼んでいます。


1 モノ的世界観からコト的世界観へ
(上図は半田広宣『2013人類が神を見る日 アドバンストエディション』(徳間書店)より)

つまり、今の人間の意識ベースは、歴史的には近代自我の形成というものと大いに関わっており、しかも、現代科学の2本柱である相対論と量子論の考え方は、新しい人間の意識ベースへと遷移しようとしている顕れであるというわけです。

ヌーソロジーによれば、そもそも人間の意識の形成には、もっと大きな宇宙の情動運動とも言うべき大きな精神運動が関わっており、当然、人間の歴史は、その精神運動の反映物として顕れているというわけです。まずは、その辺りから詳しく見ていきましょう。


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