真空中の電磁場を決定する4つの方程式は、
(ⅰ) 電場の発散の法則(電場は電荷から湧き出す)=クーロンの法則の拡張
(ⅱ) 磁場の回転の法則
(電流のまわり及び変化する電場のまわりには磁場の渦ができる)
=アンペールの法則の拡張+電荷の保存則
(ⅲ) 磁場の発散の法則(磁場に対する湧き出し源=「磁荷」は存在しない)
=磁気単極子(モノポール)の不在
(ⅳ) 電場の回転の法則(磁場が変化すると電場の渦ができる)
=ファラデーの法則
を指しますが、電磁場テンソルを用いれば、上から順に2つずつ、
(1)マクスウェル方程式:
(1)ビアンキ恒等式 :
と2式にまとめられます。ただし、「アインシュタインの和の規約」を用いました。ここで、
E:電場、B:磁束密度、ρ:電荷密度、j:電流密度、c:光速度、
です。
図65-1 電場と磁場から成る電磁波
(佐藤文隆・松下泰雄『BLUE BACKS 波のしくみ』より参照)
また、D:電束密度、B:磁場の強さについては、P:分極密度、M:磁化密度を用いて、
と書けます。これらを用いれば、
とも書けます。数式としては(ⅰ’) (ⅱ’) の方が(ⅰ) (ⅱ)に比べて美しいですから、(広義の)マクスウェル方程式の4式として、(ⅰ’) (ⅱ’)(ⅲ) (ⅳ)を用いることもあります。(ⅰ’) (ⅱ’)(ⅲ) (ⅳ)の方程式を真空( ρ=0、j=0、P=0、M=0 )において解けば、電磁場の変化は、
で伝播するのがわかります。これを「真空の光速」と呼びます。
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