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2020年1月21日火曜日

74. 光速の壁と反転

さて、前置きはこれくらいにして、まずは、現代物理学の2本柱の一つの「相対論」とヌーソロジーの対応関係についてです。ヌーソロジーに登場する「相対論」的な概念と言えば、主に「特殊相対論」の方ですから、比較的イメージがしやすいと思います。

特殊相対論では、物体の運動する速度が光速に近づくほど、物体の大きさ、つまり、空間的な長さが収縮するという現象が起きると言います。もちろん、これは外部からこの物体の運動を見ている観測者に見える現象であって、本当に物体が縮んでいるわけではありません。この外部の観測者から見える、見かけの物体の大きさの収縮のことを、物理学では「ローレンツ収縮」と呼びます。ローレンツ収縮によれば、光速に近づくほど、物体の大きさが縮んでいき、ついに、光速になった瞬間、その大きさはゼロになる、つまり、点になると言います。

ヌーソロジーでは、なんとこの特殊相対論におけるローレンツ収縮を用いて、ついに光速に達して物体の大きさが点になった後、さらに光速を超えると、裏返って点の内部、つまり、物体の内部に入り、そのまま逆に物体の大きさが拡大していくと考えているようです。そのことを表していた図が、『2013:人類が神を見る日 アドバンスト・エディション』に掲載されていた以下の図です。
74.1 相互反転した世界
(半田広宣『2013:人類が神を見る日 アドバンスト・エディション』p.32より図1-3

つまり、物体はその運動の速度が光速を超えると、内側と外側が「反転」するという構図です。ヌーソロジーでは、これを人間の意識進化と関係づけています。意識進化などというと仰々しい物言いですが、要するに、人間が今まで住んでいた世界観が別の世界観へとシフトするという意味です。ヌーソロジーでは、この「世界観」というものを、観測者が対象を見る空間構造として捉えており、単に視覚だけによらず、人間の意識および精神全体との関係の中で捉えています。そして、その精神自体が、まさにこの宇宙そのものを構成する全体性として機能しているというわけです。
このヌーソロジーの考え方の最も端的な醍醐味が、この「反転」の思想です。短絡的な物言いをすれば、「物事は裏返って反転して先に進む」とか「物事は反転した裏側の構造を捉えてこそ全体性がわかって次の段階に行ける」とか、そういうことになります。これを安易に「意識進化」と呼んでしまうか否かは別にして、一つの物の見方としては、興味深いのではないでしょうか。
ヌーソロジーでは、この反転の意味を、より幾何学的な観点から捉えようとしています。私たち人間の意識がふつう住んでいる、つまり、位置付けられているのは、この時間と空間による宇宙、より正確には、1次元の時間と3次元の空間から成り立つ4次元時空です。それは光速以下の世界です。物理学の特殊相対論に基づけば、どんな物体の運動の速度も光速を超えることはなく、しかも、その光速はすべての観測者から一定であるという、光速度限界の原理および光速度一定の原理が成り立つとされています。つまり、物体の運動ということに関して言えば、光速の壁があるというわけです。光速は宇宙のどの方向に向けても一定ですから、物体が運動している世界において、光速と等しい世界、つまり、光の世界というのは、まるで球面のようなイメージで捉えることができます。
ヌーソロジーは、この光速の壁こそ、人間の意識の最初の壁であり、今はその壁の内側に閉じ込められている状態なのだと言います。つまり、人間の意識は、まさしくボールのような球体状のものの内部として捉えることができるというわけです。もっと端的に言ってしまえば、光速とはモノの表面であり、人間の意識はモノの内部に閉じ込められているというわけです。ヌーソロジーでは、人間が物事のカタチをイメージするとき、そのカタチは球体のイメージが基本となっていて、その球体のイメージこそがモノを形作っている概念そのものとも対応していると考えます。そして、その球体の表面こそ、光速限界という壁だと考えるのです。

ここで、少しだけ数式的な世界観に触れてみましょう。物理学では、物体の運動を表す物理量として、「運動量」というものを扱いますが、物理学で扱う物理量には、短絡的に言えば、大きさだけによるスカラーと、大きさと方向を持ったベクトルというものがあり、この運動量はベクトルの方です。この運動量は、物体の質量というスカラーmに、3次元の速度ベクトルvを掛け合わせたベクトルpとして表現されます。この速度ベクトルは、3次元空間における位置ベクトル
 ……(74-1)
に対する時間変化、つまり、時間微分として、
 …… (74-2)
と書けます。したがって、光速度限界を持つ私たちの世界において、
  …… (74-3)
と書けます。

ところで、3次元空間における球体の内部というのは、
  …… (74-4)
と表わせますから、ここで、
  …… (74-5)
と置き換えれば、
 …… (74-6)
すなわち、 

 …… (74-7)
と表わせます。つまり、光速を表面に持つ球体の内部が私たちの世界ということになるわけです。

後の説明のために、この数式をさらに変形しておきますと、
この両辺に
を掛ければ、

 …… (74-8)
となり、空間項を移項すれば、
 …… (74-9)
となりますここで、4次元の時空距離を
…… (74-10)
と定義すれば、
 …… (74-11)
となります。この時空距離は、ふつうの距離、例えば、4次元空間の距離とは異なります。
 …… (74-12)
の形がふつうの距離であり、4次元時空における時空距離(ローレンツ距離)は、
…… (74-13)
です。これは、後で述べる4次元空間と4次元時空の差異になってきますので、少し記憶にとどめておいて下さい。












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