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2020年1月20日月曜日

68.モノポールが存在する場合

さて、
電荷間のクーロンの法則:
  (68-1)

と同様に、
磁荷間のクーロンの法則:
  (68-2)

が成り立つため、以前は電子のような、磁荷を持った粒子である「モノポール」(磁気単極子)が存在すると思われていました。現在まで発見されていません。
もし、モノポールが存在した場合、ビアンキ恒等式の2
は、
として、以下のように変更されます。
すると、
 (68-7)



となりますから、磁流密度の4元ベクトルを
  (68-8)
とすれば、
  (68-9)
と書けます。これは狭義のマクスウェル方程式と対称な形となります。
モノポールが存在する場合、複素電磁場とその複素共役を
  (68-10)
と定義すれば、複素電磁場の発散と回転は、複素電荷密度と複素電流密度を
  (68-11)
として、(広義の)マクスウェル方程式は
  (68-12)
となります。電磁場テンソルで表せば、
となるから、
複素電磁場テンソル     
  (68-15)

複素電磁流密度の4元ベクトル:
 … (68-16)
定義すれば、
]
  (68-17)

と書けます。ここで、定数θの位相変換を考えれば、

  (68-18)

は、この方程式(68-17)の形を保つ。これを「双対回転」と呼びます。
 すべての粒子が電荷と磁荷を併せ持ち、その比が普遍的な一定値を持っているとします(このような粒子を「ダイオン」と呼びます)と、電荷密度と磁荷密度の比、電流密度と磁流密度の比も普遍的定数になるから、双対回転によって磁荷密度と磁流密度をともにゼロにすることができると指摘したのが、シュウィンガーでした。
 すると、私たちが暮らしているこの世界は、そうした双対回転によって、磁荷密度と磁流密度がゼロになっている世界なのかもしれません。










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