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2013年6月27日木曜日

12. ルビンの壺とヌーソロジー

さて、これからヌーソロジーにおける「観察子」と呼ばれるものの構造の概略について説明する前に、まずは、次の図を見て下さい。

 
左上の図は、デンマークのE・ルビン(Edger Rubin)という人が1921年に発表した「盃と顔図形」です。これは、通称「ルビンの壺」と呼ばれる、心理学の本などに登場する錯視図形として有名な図です。右上の図は、白黒を反転させた「ルビンの壺」です。これは、「壺」の図に焦点に合わせて見ているときは「向かい合う2人の顔」が見えず、逆に、「向かい合う2人の顔」の図に焦点に合わせて見ているときは「壺」が見えなくなるという構図です。

もう少し厳密に言うならば、「壺」を「図」、「向かい合う2人の顔」を「地」として見ているときは、「図」である「壺」は見えても「地」である「向かい合う2人の顔」は見えないのですが、反対に「向かい合う2人の顔」を「図」、「壺」を「地」として反転させて見てみると、今度は「図」である「向かい合う2人の顔」が見えて「地」である「壺」が見えなくなるというわけです。
実はこの「ルビンの壺」の構図に、今回お話をさせて頂くヌーソロジーのとても大事なものが語られています。
   

ヌーソロジーは、端的に言ってしまえば、わたしとあなた、つまり、自己と他者の、モノをめぐる認識から始まる宇宙論(Cosmology)と言えると思います。これはどういうことかと言いますと、かなり大雑把な言い方になりますが、あなたからわたしへ、わたしからあなたへという視線を交換する現場がモノであるというわけです。


この意味については、追々説明していくことにしましょう。

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