ヌーソロジーでは、私たちがごく当たり前に使い回している観測者と対象を切り離した対象中心の思考様式を「人間型ゲシュタルト」と呼びます。つまり、簡単に言えば、何かモノについて語るとき、わざわざそれを見ている観測者というものを意識しない思考様式です。これは私たちの物の見方・捉え方・考え方にあまりに広く及んでいるため、そうした思考様式の自然な習慣があることすら無意識になってしまっています。
例えば、このペンはどんな素材で出来ていて、何色で、つやがあって、長細くて…といったそのモノ側に特化した特徴だけを採り上げて話したりしますが、そのとき、それを観測しているわたしとの関係性などは、よほどわたしにとって特別なペンでない限り、はなっから度外視していてわざわざ話に含めたりはしません。そもそもモノを語るとき、それを捉えている観測者の話などしないのがふつうではないでしょうか。
これに対して、物事を捉えるとき、具体的にそれを見たり聞いたりしている観測者はもちろん、そもそもその物事を成立させている背景としての観測者を意識する思考様式こそ、ヌーソロジーが重要とする思考様式であり、「変換人(トランスフォーマー)型ゲシュタルト」と呼ばれます。
つまり、物事を「対象」として切り離した存在として見てしまう思考様式を「人間型ゲシュタルト」だとすれば、物事の成立要件を「観察者」と「対象」を1セットにした全体性の中に求める思考様式が「変換人型ゲシュタルト」なのです。これこそが、ヌーソロジーが提示する「変換人型ゲシュタルト」という思考様式です。
もう少しこの「トランスフォーマー(変換人)」というものが、ヌーソロジーにおいて、どのような存在であるかを見ておきましょう。具体的には、レクチャーなどでは、以下のように語られています。箇条書きで並べておきましょう。
○ニーチェが言う、神の下の弱者という受動的ルサンチマン(怨み)として生きる「人間」を超えた「超人」に近いイメージ。
○トランスフォーマーは、空間の中に意識と物質の起源を見る。
○トランスフォーマーは、無意識の構造を対象とする世界に入っていく。
○トランスフォーマーは、物質的知性を精神的知性へと変換していく。
○トランスフォーマーは、新しいビジョンへと移行する両生類的存在である。言ってみれば「次元両生類」というわけです。
みなさんも、一体「トランスフォーマー(変換人)」とはどんな存在であるかを想像してみて下さい。私たち「人間」とは少し異なるあり方をしているのがおわかり頂けますでしょうか。ヌーソロジーでは、私たち「人間」の意識はこれからこの「トランスフォーマー(変換人)」へと向かっていくのだと言います。
言い換えれば、ヌーソロジーとは、この「トランスフォーマー(変換人)」を目指した思考様式である「変換人型ゲシュタルト」という思考様式を自ら組み立てていく分野のものであるというわけです。
0 件のコメント:
コメントを投稿