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2016年1月27日水曜日

24. シリウス言語とは? 

ところで、これまで、ヌーソロジーが「難しい」「理解しにくい」と言われていた一番の理由として、その独特な用語にあります。専門用語というものは、どんな学問の専門分野にも登場しますが、どの専門用語も、門外漢にとってはいつも理解しにくいものです。特に、この一般に「ヌース用語」とも言われる「シリウス言語」と呼ばれる用語の体系は、実にわかりづらいです。それは一つの言葉が文脈によって複数の意味を扱うからでもあります。

もちろん、そもそも言葉というものは様々な文脈によって意味が変化するのが当然ですし、その言葉に直接付随する絶対的な語意があるわけではなくて、むしろ他の関連用語および関連しない言葉との差異によって少しずつ意味が特定されていくようなものではないかと思います。つまり、差異のネットーワークにおける結節点のようなものが言葉の意味なのだというわけです。この辺りのことは、かの有名な言語学者であるフェルディナン・ド・ソシュール(1857-1913)が「シニフィアン」(「記号表現」「能記」と訳す)と「シニフィエ」(「記号内容」「所記」と訳す)を使って説明していたと思います。

しかし、「ヌース用語」である「シリウス言語」が理解しづらい理由はそれだけではないようです。それは、この言語体系が、人間の従来の認識・思考などが築き上げている世界観を、その根底から解体しようとする言語でもあるからではないでしょうか。そのことは、ヌーソロジーのソースである「シリウス・ファイル」と名付けられた、半田広宣氏とOCOTと呼ばれる意識体との交信記録自身からも垣間見えてくるでしょう。実際、この交信記録を日付順に読んでいくと、その質疑応答の形態が異様であることに気付きます。簡単に言えば、体系できた質疑応答になっていないのです。それは半田広宣氏の誘導が下手だったとかいうことではなく、そういった人間独特の体系だった思考法を解体させようという狙いがOCOT側にあったからだと言われます。つまり、ある言葉の意味をつかむとき、その関連項目についても連鎖的につかもうとするのが人間の理解の仕方にとっては普通ですが、OCOTはそのような思考の連鎖を「π循環」と称して、それによってもたらされる意味文脈を何とか断ち切らせながら、全くの新しい概念体系を組み立てさせようと考えたからだと思います。

そこで、「シリウス言語」を理解しようとする場合、そうした人間独特の連鎖的な理解の仕方を十分考慮した上で、他の用語との関連をつかみながら理解していく必要があるのではないかと思います。逆に言えば、ヌースのソースが持つ独特の思考形態を読み解いていくようなスタンスで徐々にアプローチしていく方が理解しやすいのではないかということです。
一つのヒントとして、こんなアプローチがあります。以下の数列は、「フィボナッチ数列」と呼ばれる自然界によく見られる数列です。
1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, 
この数列は、ある項をその1つ前の項で割った値が「黄金比

に近づくという特徴を持っているのですが、この近づき方が面白いのです。実際に計算してみると、こんなふうになります。


黄金比

の値を軸に、1つおきにその値より大きくなったり小さくなったりしながら、つまり、上下に揺れながら次第に黄金比へと収束していくのです。人間の理解の仕方というものも、実はその途上ではこんなふうな経路をたどっているのではないでしょうか。

そこで、私たちが今後ヌーソロジーを理解する場合も、滝の水が上から下へと流れ落ちてゆくような教科書形式的な「ウォーターフォール・モデル」方式をとらず、あっちへ行ったりこっちへ来たりといったある程度の振れ幅、つまり、振幅を持ちながら、波動のごとく揺れながら、何度も何度も同じところを回っているように進んでいく「スパイラル・モデル」方式に似たような感じで、理解していくのが一番妥当なのではないと思います。

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